■美食の街-サン・セバスチャン

2022年8月、一度訪ねてみたかったサン・セバスチャンに行って来ました。​
マドリッドから飛行機で1時間。サン・セバスチャン空港は街の上を通り過ぎた​場所にあるので、写真のようなコンチャ湾に面した街並みを見下ろせます。
サン・セバスチャン(スペイン・バスク州ギプスコア県の県都、バスク語名は​ドノスティア)は、スペインとフランスに跨るバスク地方の代表的な都市で、ミシュラン星付きのレストランが数多く集まり、“世界一の美食の街”と呼ば​れています。ここで多くの方に楽しんでいただける飲食店開業のヒントを探ります。

OLD TOWNと呼ばれるエリアでは個性的なバルがところ狭しと立ち並び、店自慢のピンチョスを肴に微発砲ワインのチャコリを嗜むスタイルが昼から始まります。私が訪れた8月は、日の入りが22時近くだったので、昼から10時間ほど​呑み続ける人も多くいるようです。ここでは、ドリンク1杯にピンチョスやタパスを1、2皿味わったら次の店へ、というスタイルが基本のようで、一晩で4、5軒をハシゴすることも珍しくありません。以前は、カウンター上に自慢の料理が並べられていたようですが、コロナ禍以降は飛沫感染防止を目的として、ショーケースに入れたレイアウトが主流となっていました。ですが、言葉が通じなくとも料理を指差すだけで注文ができることには、変わりありません。料理によってはすぐに提供、必要あれば温めて出してくれます。

まずは、元祖バスチーとご対面!​
バスクチーズケーキ発祥の地と言われるLa Vina。
表面を黒く焼き焦がしたバスチーは中がトロトロ。切り分けてもらうと、柔らか過ぎて横に倒すしかないですね。カラメルのような香ばしさのケーキには、バスクのワイン「チャコリ」をエスカンシアで楽しみます。バスク州を代表するチャコリはアルコール度数が低く、フレッシュで爽やかなワインです。(白が有名ですが、赤とロゼもあります)そして、エスカンシアとは、パフォーマンス色の強いチャコリの注ぎ方で、注ぎながらボトルをグラスから徐々に離し、最終的には数十センチもの高さから注ぎます。チャコリの香りを開かせ、酸を和らげるために泡立たせる方法と言われています。​

サン・セバスチャンのビストロ名店については、色々な方がSNSに数多くアップしてくれており、私も参考にさせていただきました。ここでは敢えて紹介はしませんが、私が訪れたビストロも素晴らしいお店ばかりでした。​
各店工夫を凝らしたメニューが並びますが、皿代わりのスライスしたバゲットに料理を載せて提供するスタイルが主流のため、食べ呑みハシゴを続けると、かなりお腹がいっぱいになってきます。食材も様々ですが、定番メニューは、青唐辛子とオリーブ・アンチョビのピンチョスですね。(写真撮り忘れました!)​
また、ビストロによって、魚介系や肉系などスペシャリテも異なり、事前準備を​施した旅行者は、数軒を食べ歩く中でコース料理メニューを楽しんでいるようです。​

OLD TOWNは、サン・セバスチャンの伝統的なバル巡りの風景として紹介されますが、橋を渡った川向うのGROS地区は様相が異なります。新しく洗練された店舗や商業施設が立ち並び、観光客ではない地元の若者たちが多く乾杯していました。(にしても、やはり店の外で呑むのがお好みなのは変わりません)​
訪れたのは、ミシュラン星付きのBERGARA BAR。数々のコンクールで賞を受賞した名店で、ピンチョス発祥の地と言われているそうです。白を基調とした店内のカウンターに並ぶピンチョスはどれも手が込んでいます。注文したのは、帆立とアボカドのカクテル、海老とウニのカクテルで、その美味しさにチャコリも進みます。

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